立川駅からの大通りと住宅地に隣接するクリニック３科と薬局(カフェ付き)からなる医療モールである.大通り側に薬局棟、住宅地から距離を保つように診療棟を配置し、１階に集約した外来機能と２階のスタッフ諸室から成る.
　この医療モールには複数の光庭と路地があり、棟間の路地を抜けた静かな中庭から各診療科及び薬局へアプローチする.建物を穿つように点在する光庭は滞留空間・動線上に面し、その間接光と植栽によって患者の心を和らげる.白を基調とした建物の所々に光庭の植栽の背景となる土壁塗装の壁面が介入し、内外共に清潔感と安らぎを併せ持つ医療モールである.前面道路を挟んだ既存の多摩メディカルモール１と合わせて、地域の医療拠点となるべく、地域の日常を支えるとともに、住民に永く愛される施設となることを期待している.

医療モールの分棟形式による一体的で親しみのある空間
敷地及び建築の回遊性、施設の中心となる中庭の配置などを実現する分棟形式とするため、薬局棟及び診療棟を別敷地・別申請で設計を行った。意匠としては、分棟形式を保ちつつ、意匠の一体的なデザインや連続する外構計画、建物の配棟を入念に調整し、各機能のプライバシーに配慮した.分棟形式とそれに付随する空間により、住民にとって親しみがあり優しい医療施設を実現した.

■建築概要
主な用途：薬局・診療所(3科)
敷地面積：1371.48㎡・461.25㎡
建築面積：463.15㎡・223.06㎡
延床面積：573.04㎡・294.74㎡
構造・規模：鉄骨造・２階建て
企画・PM：㈱三輝健康社
構造：鈴木健構造設計事務所
設備：株式会社SPC
施工者名：分離発注方式
㈱木村建築　㈱渡辺電設　㈱テクノ空調企画
EROOF㈱　ETERNIT㈱　ユニオン工芸