ADAPTABLE URBANISM
あらゆる場所に、空き家などの建築ストック等だけでなく、豊かな才能や強い個性を持ち合わせた人が存在しています。それらは、既存の優れた地域の資源であり、硬直化した地域に、建築にひとを巻き込んだ緊密なネットワークをつくることが重要となってきます。
ひとのネットワークを構築することは、建築家の個人で活動できる範疇を超えて、地域の方々との連携が必須です。従来のどこにいるか分からない建築家から住民のすぐ近くにいる建築家として、ひとのネットワークの中に積極的に介入します。そのためには特化したエリアを設定すること、そのエリアにオフィスを開き、建築事務所のあり方自体を地域のネットワークの一部にすることが重要です。その時更新する対象はひとと建築であると考えます。
それは、時代に合わせて更新し続けることのできる建築・都市のベースの構築へと繋がります。
グローバルに考え、ローカルに行動する / ローカルに考え、グル―バルに行動する
ARCO architectsでは建築設計業務に加えて、茨城県取手市及び東京都足立区の2つの地域においてエリア特化型の活動を行っています。
茨城県取手市では、取手アート不動産として参画し、東京都足立区(千住エリア)では千住芸術村との連携による古民家再生を行っていきます。
ローカルから超ローカルへ
事務所をNPO法人千住藝術村とシェアしており、事務所のシェアスペースでは、イベントの拠点運営だけでなく、誰でも出入りできる常に新しい出来事が起き続ける場をつくります。
Photographs | Ookura Hideki / Kurome Photo Studio
マドリードの若手建築家の展示風景です。普段、建築設計事務所としての打ち合わせスペースや模型製作場として利用しているスペースは、ある時は建築家やアーティストの展覧会場、日曜日は子どもの遊び場となったり、地域の方々の地域活動ための場所にもなります。
特に、北千住東口エリアを中心にひとのネットワークの構築を行っています。
千住 Public Network
千住Public Networkでは、この千住地域で活動したい方や店舗を構えたい方を誘致または発見し、拠点や住居を提供し、地域の人達や既存のコミュニティとの連携をつくることを主な目的とします。
「千住を考える」というイベントを定期的に開催します。各回テーマを設定し、テーマに沿った活動をされている方々をゲストとしてお呼びします。他の地域で実践されるプロジェクトを通して、地元の方々や活動をしたい方々と議論し、千住地域の可能性や課題の発見や、地元の方々との交流を図ります。
空き家利利用や人々の新しい繋がりによって、活気や賑わいを生み出し、それぞれが相乗効果を持ち、自発的で持続的な活動をしていく村のような関係性を築いていきます。